ちょんなとは・・・

「ちょうな」とは「釿」と書き、地域に
よっては“ちょんな”とも呼びます。
その曲がった特徴ある柄は、えんじゅの木を用い、 使う工人に合わせて曲げ、癖を付けたものを仕込んでいます。
大工の世界では玄翁(金槌)・鉋(カンナ)・鑿(のみ)・
鋸(のこぎり)・釿(ちょんな)・差し金・墨壷を七つ道具として扱っております。
その中でも墨壷、差し金(曲がり尺)、釿を「三種の神器」と
呼び、昔はこれらを使いこなせて初めて大工を名乗れたそうです。
今では道具が進化しすぎてしまい、基本中の基本のちょんな掛けをする姿もほとんど見られなくなってしまいました。
本当の意味での再生
現在古民家再生と言っても、痛んだ部材のほとんどは廃棄処分
され、よほど状態の良いものでなければ再利用されません。
もったいない話しなのですが、ほとんどの業者はちょんなや古道具を扱えないので、再利用する事ができません。
(最初から再利用する考えがありません。)
古民家と呼ばれる建築物のほとんどが現在の住宅と違い、木がら(木の体積)の大きい部材を使用しております。痛みの程度にも
よりますが、痛んだところを「ちょんな」ではつっても、十分再利用できるだけの太さや長さがあります。
これらの部材を伝統技法によって蘇らせ、再利用することこそ質を落とさず再生するということになります。伝統を無視したリフォームや、うわべだけの再生は後の世には伝わりません。(価値があまりありません)
古民家再生をうたう業者が多く見受けられるようになりましたが、業者選びの一つに、古道具に精通しているか、それらを扱えるか
というのが一つのポイントになってくると思います。